MUSE/MUSE S、3年以上毎日使って徹底レビュー
瞑想は良さそうだし、最新のガジェットは好きだけど、MUSEって実際どうなの?
実際、世の中には「発想はいい」けど「実用に耐えない」ものがたくさんありますからね。この記事にたどり着いた方であれば、この辺りが気になるところでしょう。
私の結論は、
いくつか注意点はあるけど、瞑想が大事だと思うなら買いにゃ!
です。
この記事では、MUSE、およびMUSE Sを長年愛用している私が、
- MUSEの特徴や価値
- 機種ごとの比較
- 毎日使うとわかるいろんな注意点やアドバイス
- MUSEや瞑想を習慣化するためのヒント
などなど
MUSEに関するあれこれを徹底的にお伝えしていきます。
- 1. 瞑想は「重要」ではなく、人生を支えてくれる「必要」なもの
- 2. MUSEの特徴ーわざわざMUSEを使う価値はあるか?
- 3. MUSEの機種ごとの比較
- 4. MUSEを利用する際の注意点とアドバイス
- 5. 瞑想、MUSEを習慣化するためのヒント
- 6. すぐできること
- 7. まとめ
瞑想は「重要」ではなく、人生を支えてくれる「必要」なもの
結論でお伝えしたとおり、「MUSE」を買うべきかどうか、は「瞑想」をどう評価するかによります。
その瞑想の価値ですが、ここ二十年ほどでfMRIの中で瞑想してもらったり、瞑想プログラムを実施して脳の変化や生産性の変化を追ったりなど、科学的にも研究が進んでいます。
よく言われる瞑想の効果:集中力やパフォーマンスの向上、意志力の向上、ストレスの解消
もう随分昔になりますが、グーグルでのマインドフルネスの実践について書かれた本や、TEDなんかでも人気のケリー・マクゴナガル先生の自分を変える教室とかストレスを力に変える教科書とかでも瞑想の効果について紹介されたりして、徐々に瞑想が市民権を得るようになりました。
その中でよく言われるのが、「集中力があがる」「生産性が上がる」「意志決定能力が高まる」「リラクゼーション効果がある」「ストレスが軽減される」などです。
一方で、実は「エゴが増大する」、という実験結果もあるみたいですが、この辺りはおそらく瞑想の実践方法による気はします。多くの瞑想は逆の状態を目指すものですからね。ビジネス的に「瞑想」の効果を搾り取ろうとするようなプログラムでの計測結果なのではないかと。
鍵になるのは前頭前野
話がそれましたが、キーポイントは前頭前野です。
fMRIで脳の状態を計測すると、瞑想の達人は前頭前野が大きく発達していますし、数週間のプログラムに参加しただけでも前頭前野に発達が見られるそうです。
こうした瞑想の効果は実際にあるのは確かで、科学的にも実証されていますし、私も実感しているところです。ストレスなくリラックスして仕事ができて、かつ生産性が上がる。成果がでる。こんなに重要な事があるんだろうか、と思う気持ちもわからなくはありません。
しかしながら、こうした効果だけでは瞑想の価値は捉えきれないと思います。
メタ認識(自己認識)能力を高めること、自らを客観的に見つめる習慣ができることが、瞑想が「必要」である理由。
前頭前野が発達すると鍛えられる能力には、いろいろなものがあります。その中で、私が最も重要だと考えているのは、メタ認識能力、場合によっては自己認識能力と呼ばれるものです。
なぜこれが人生にとって「必要」なのかといえば、そもそも「人生」という考え方自体が「メタ認識」の賜物だからです。目の前の生活から一歩引いて、つまりメタ認識をすることで、自分の人生というものが初めて見えてきます。実際のところ、お猫様には難しいはずです。
人生をコントロールする上で、瞑想は欠かすことのできない、いわばハンドルのようなもの。
要するに、メタ認識能力を高めることは、人生というものを見て、あるいは日々の自分の行動を振り返って、自分なりの意思決定をするための「ハンドル」を手に入れるようなものです。
逆に言えば、メタ認識能力がなければ、私たちは動物的なその日暮らしを続けることになります。
日々の生活の中でつねにこの「ハンドル」を握っていられるかどうかは、瞑想によってメタ認識能力を高められるかどうかにかかっています。
もちろん、他の方法で鍛えることもできるかもしれませんが、現在科学的に最も研究されているのがおそらく瞑想であり、私もいくらか調べましたがこれほど直接的に前頭前野を鍛えられる行動は他にないと思います。
瞑想を極めていくと、瞑想をしているその時間が人生の一つの目的になる。
また、これはパラダイムがガラッと変わりますが、そもそも瞑想それ自体が人生の目的であり、望ましい状態になり得ます。人によっては幸せの定義が、あるいは目指すべき状態が一種の瞑想状態とニアイコールで結ばれます。
ここまで来てしまうと、瞑想の価値がどうの、という次元ではなくなっていますね。価値を測る基準が瞑想になっているわけですから。
このあたりは脱線しすぎるのでまたの機会に。
MUSEの特徴ーわざわざMUSEを使う価値はあるか?
瞑想、あるいは少なくとも前頭前野を鍛えることそれ自体は明らかに価値のあることだということがイメージできました。
しかし、何千年も前から、人々はMUSEなど使わなくても瞑想してきたわけです。
そこそこのお金を出してまでMUSEを使う必要があるのでしょうか?
私はあると考えています。少なくとも、自分の瞑想の質に少しでも疑問がある人にとっては。
MUSEの概要 -ハードウェア編
そもそもMUSEはどんな端末なのでしょうか。EEGで脳波を計測して瞑想の質を評価してくれる端末、といえばそうなのですが、実はもう少し機能があります。
ざっくりいうと、まずハードウェアとしては、脳波以外にもいくつかセンサーがついていて、様々な種類の瞑想に対応している上、機種によっては睡眠導入や睡眠の計測もできます。
- 脳波、心拍と独自のアルゴリズムを使った睡眠導入(MUSE Sのみ)
- 脳波、心拍と加速度計(動きの計測)を使った睡眠の計測
- 脳波を使った瞑想の計測
- 心拍と血中の酸素飽和度を使った心拍の瞑想の計測
- 加速度計を使った身体の瞑想の計測
- 心拍とジャイロスコープを使った呼吸の瞑想の計測
※PPG:Photoplethysmography 光学式心拍
※EEG:Electroencephalogram 脳波
※Accelerometer:加速度計
※Pulse Oximetry:パルスオキシメーター。血中の酸素飽和度を測定。
※Gyroscope:ジャイロスコープ。物体の向きや角速度を検出。
MUSEの概要 -ソフトウェア編
ソフトウェアとしては、iOS/Androidのアプリケーションでそれらの結果を記録できる上、瞑想や睡眠の状態に応じてリアルタイムでフィードバックを返し、それらの質を高めるようガイドしてくれます。
うまく集中できてると、いろんな鳥さんが鳴くんですよね。逆に集中できていないと自分で選んだ環境音(風の音とか雨の音とか)が大きくなります。もちろんどちらも音量調整(ミュートも)できます。
その他、音声ガイドの様々な瞑想プログラムが用意されていたり、瞑想のスコアが出たり、バッジがもらえたりとかします。
要するに、いろんな種類の瞑想(と睡眠)のガイド、計測、記録、ゲーミフィケーションができる端末&アプリというわけです。
瞑想の質を計測できる
さて、MUSEを買うべき最も重要な理由は、瞑想の質を計測し、可視化できるからです。
瞑想をはじめてすぐにぶつかる壁が、「自分がうまく瞑想できているかわからない」ことです。
また、なにかで成長していく上で、絶対に欠かすことができない要素が「計測」です。
MUSEを使うことによって、主観的にしかわからず、うまく自分の中でも比較しづらい「瞑想の質」というものを、脳波というある程度は客観的な指標に基づいて評価することができるようになります。
脳波計測では、現状ほぼMUSE一択。
ちなみに、このロジックで言えば脳の状態をある程度計測できればなんでもいいわけです。血流量でもニューロンの発火状態でもなんでも。
ただ、現状そうした計測を行うにはfMRIや脳に電極を指すなど大規模な装置が必要になり、日常使いには全く現実的ではありません。日々の習慣にする上で現実的な選択肢は脳波の計測ということになるわけですが、この脳波の計測デバイスというもの自体がもともとは研究用のものばかり。
現在、いくつか安価な脳波計測デバイスが出ては来ていますが、十分に安価で、瞑想に関するアプリケーションが揃っていて、様々な活用事例やそこから取れたデータを使って日々改善されている実用的なデバイスというのはほぼMUSE一択です。
瞑想の質を高めるガイド
正直なところ、計測ができるだけでも十分なのですが、特に瞑想を一人でやっている人にとてもいいのが「ガイド」と「フィードバック」です。
ガイドは、いろいろな種類の瞑想プログラムを選んで、具体的なやり方をガイドしてくれます。まぁ、この辺りは他の瞑想アプリでもよくありますね。
ちなみに、基本英語なので、ある程度英語ができないとつらいです。英語の勉強にはなります。笑
瞑想の質を高めるフィードバック
フィードバックは、先に書いてあるとおりです。いろんな鳥さんが鳴いてくれます。これが非常に使えます。
よくあるケースですが、自分の瞑想の質に疑問があると、たとえうまく集中できているときでも不安になります。
瞑想の途中で何度も繰り返し「これで合ってるのだろうか?」と考えるようになります。
そうすると、その不安それ自体が瞑想を邪魔してしまい、延々と瞑想の失敗→不安のループに落ち込んでしまいます。
フィードバックがあると、これが防げるんですね。
また、瞑想で集中が途切れるのはつきものです。そうなったとき、特に最初のうちは、気づいたら何分も妄想しているとかってことが起きます。
こんなときも、フィードバックがあると集中が乱れているということが無理やりわからせられるので、スムーズに瞑想に戻ることができます。
これらの機能があるだけで、瞑想能力の向上が大幅に効率化され、瞑想の質は着実に高まります。
習慣化を促すためのゲーミフィケーションが充実
そして、人によっては非常に効果的なのが、ゲーミフィケーションです。
スコアやバッジ、瞑想時間などがすべて記録されていて、それを使って目標を設定してくれたり、連続して何日できているのか表示してくれたりします。
特に私は「継続日数」を維持するのが大好きなので、これのおかげで瞑想の習慣がより強固になりました。ただし、夜だけ瞑想している人は、日付が変わった瞬間アウトになるのでご注意を。
私のMUSEとの出会い
私自身は、2008年くらいから瞑想を習慣にしていたのですが、かなり我流のやり方で延々とやっていました。
忙しすぎた時期は、だんだん瞑想の質が疎かになって、とりあえず瞑想の時間をとった、というだけでOKにしてしまっていました。
そんなとき、2016年くらいでしたかね?MUSEに出会いました。
これまで、適当に5分瞑想しようが、集中して1時間瞑想しようが、1回は1回で、その質や時間の記録はあまりできていませんでした。できていないからこそ、適当でもOKになってたんですよね。
瞑想の質への意識の変化
それがですよ、MUSEをつけると、適当に瞑想してるのがきっちり記録されちゃうわけです。質も、時間もです。
また、瞑想にも色々種類があるわけで、もちろんいろいろな意識状態があるわけですが、その辺りを日によって適当に変えてたんですよね。だから、昨日の瞑想と今日の瞑想を比較したときに、質の向上があったかどうかがいまいちわからない。
それも、計測されることで、しっかりと自分の状態の変化がわかるようになりました。
どの時間にどの瞑想をすると質が高まるのか、どのくらいの時間集中を持続できるようになったのか、そういったことを意識しながら、目標を立て、忙しい中でも着実に瞑想の質を改善できるようになっていったのです。
実は一度だけ使わなくなった時期もありましたが、それ移行はほぼ3年以上、毎日MUSEを使って瞑想を継続しています。
そんなわけで、特に瞑想の質に少しでも疑問があるなら、あるいは今から瞑想を習慣化したいと思っているなら、MUSEはあなたの人生にハンドルを取り付けてくれると思います。自信を持って買いだと言えます。
MUSEの機種ごとの比較
MUSEが買いだということが伝わったところで、ざっくりと機種ごとの比較をしておきましょう。もっと詳しい説明がほしい方は、公式ページをご覧ください。英語が苦手な方はGoogle翻訳で。
実は、MUSEには大きく2つのタイプがあります。
一つが、ヘッドセットのようにプラスチッキーな筐体で、おでこ~耳にかけるようにして使うタイプの無印MUSE。こっちがちょっと安いです。今はMUSE2が最新ですね。
もう一つが、繊維素材にセンサーをつけたヘッドバンドタイプのMUSE S(Gen1とGen2があります)。こっちはちょっと高いですが、睡眠の計測とかができます。
選び方の結論としては、
- 持ち運びと睡眠を重視するならS。
- 耐久性を重視するなら通常版。
です。
MUSE Sがおすすめだが…
ちなみに、おすすめはMUSE Sですね。無印の方は用途が限られるからです。寝ながら使うのも難しいですし、持ち運びも面倒です。
睡眠導入や睡眠のトラッキングもできません。基本的には、MUSE Sは完全に上位互換なんですよね。
ちなみに、Gen1とGen2の大きな違いは睡眠導入のあるなしなので、これは必要かどうかで選んだらいいと思います。
ただ、MUSE Sの残念なところが一つありまして…それが耐久性です。
繊維素材にセンサーをつけている関係なのか、センサー部分が劣化しやすいです。というか、私は普通に最初の三ヶ月でセンサーが劣化して壊れました。
サポートはしっかり対応してくれる。ただし英語。
サポートに問い合わせたら、
トラブルシューティング試して~とか、ヘッドバンドつけてる写真とか、センサー部分の写真とか、画面のスクショとか色々証拠写真を要求され、最後はヘッドバンドをはさみでカット(破棄)した写真まで念入りに確認されました。
が、最終的にはちゃんと新品のヘッドバンド送ってもらえました。(もちろん全部英語)
まぁ高い商品ですからね。
MUSE Sは持ち運びやすいが、細心の注意払うこと
二本目はずっと調子が良かったのですが、旅行をして帰ってきてから、センサーが少し劣化し始めました。
そうです。持ち運びはかんたんなんですが、センサーが外側にむき出しになっている関係で、折り曲げた状態で普通に持ち運ぶとセンサーが削れていくようなのです。
反省ポイントとしては、
- センサー部分が折れ曲がった状態で持ち運ばないこと。
- 入れる袋は柔らかいものにして、できるだけ周囲と摩擦の起きない場所に入れて持ち運ぶこと。
です。日常使いをしているぶんには、毎日使っていても問題ありません。もちろん、無印はタフで、4年以上たった今でも元気です。
MUSEを利用する際の注意点とアドバイス
さて、MUSEがほしい、というところまで来ていても、どうしても不安になる点がいくつかあると思います。
- 瞑想の計測は本当に当てになるのか?
- 本当に実用に耐えるのか?
- 不完全なポイントはないのか?
と。もちろん色々注意点があります。
計測は使えるが、瞑想の種類によって見方を変える必要あり
まず、瞑想の計測はあてになるのか?という疑問について。これについては、基本的にはOKだが、スコアだけで評価できないタイプの瞑想もある、という回答になります。
「瞑想」は「スポーツ」と同じくらいたくさんの種類がある
そもそも、瞑想には非常にたくさんの種類があります。そして、すべての瞑想で共通した意識状態≒脳波を目指すというわけではありません。
ですから、懸念は当然で、MUSEにとっての「Calm」(うまく行っている状態)の定義と、特定の瞑想における「うまく行っている状態」が一致しないことは当然あります。
MUSEが計測しているのは、おそらくDMN
瞑想と脳の関係を検索するとすぐに出てくるのが、DMN(デフォルトモードネットワーク)です。
ぼーっとしているとき、あるいは将来について考えているときに活性化している脳のネットワークのことで、これが活性化していると、いわゆる「雑念」があり「マインドフルではない」状態だとみなすような論文が多かったりします。
正確な計測をするときはもちろんfMRIなんですが、EEG(要するに脳波)での計測も行われているようです。
科学的な関連知識を知りたい方はこちら(英語)。
MUSEはおそらく、このDMNが落ち着いている(Calm)か活性化しているか(Active)かを主に計測しているようです。
計測対象についての具体的な記述は見つかりませんでしたが、公式のこのページでもMUSEのベネフィットとしてDMNについて最初に言及されているので、少なくとも主要な計測対象ではあるでしょう。
計測結果の解釈の仕方をわかっていれば使える
瞑想の種類によっては、「うまくいっている状態」のDMNが活性化したりしているものもあるかもしれません。
また、脳波でのDMNの計測それ自体、そこまで正確なものとは言えないでしょう。
当然、キャリブレーションの段階で失敗してしまえば、計測の値はおかしなことになります。
それでも、「注意力が散漫になって色々なことを考えている可能性が高い」状態や「雑念が落ち着いている可能性が高い」状態を計測し、リアルタイムでフィードバックしてくれるのは非常に有用であると言えると思います。
注意点を理解して使っていきましょう。
スコアが信頼しやすい瞑想
MUSEがいい感じに計測できる瞑想は、主に一点に集中する系のいわゆる集中瞑想です。いわゆるサマタ瞑想とかが近くて、わかりやすい例で言えば、MUSEがフィードバックしてくる鳥の声(聴覚)に集中するとスコアが伸びやすいです。
また、いわゆる慈悲の瞑想などもある程度「うまくいっている」ときの感覚とCalm判定がある程度一致している気がします。
スコアが若干怪しい瞑想
一方で、ヴィパッサナー瞑想などの観察系の瞑想はどうにも「うまくいっている」ときでもうまく「Calm」判定にならないことがあります。
マインドフルネス瞑想も観察系なのですが、この端末は「マインドフルネスを高める」とうたっているので、私が瞑想のうまくいっている状態を勘違いしている可能性は否めません…笑
種類によりますが、観察系の瞑想は認識や連想を観察して投げ捨てるということをやったりするので、ものすごい速さで投げ捨てまくっている状態(雑念がどんどん見つかるが瞑想としては前に進んでいる状態)が、ひたすら呼吸に集中する状態(観察ではなく行動に集中してしまっている状態)などよりもDMNが活性化しているのかもしれません。
イメージ的には傘とかを指先でバランスとって立てる感じですかね。集中系の瞑想は指先じゃなくて手のひらで掴んで力づくでまっすぐ立てている感じ。※個人の主観です
全て投げ捨てきってしまえばおそらくまたDMNが沈静化するので、中間段階ですごくアクティブになる、みたいなことなのかも。
とにかく、瞑想の進み具合とスコアが必ずしも一致しない可能性があるので気をつけて解釈してください。
ソフトウェア的な問題なので、今後の解決に期待したい。
正直、このあたりはソフトウェア側で「どの脳波パターンをCalmと判定するか」というお話なので、今後より細かく瞑想の種類に応じた「うまくいっている状態」の定義が更新されていくことに期待したいですね。めっちゃ難しい気がしますが。
MUSEの会社は自前で僧侶とか呼んで実験してるはずですし、一般ユーザーからのデータもたくさん溜まっているはずですから、きっとそのうち…
計測自体はされているので、データ自体には意味がある
自分の集中度合いを測る上でも、瞑想時間を記録する上でも、どんな瞑想でも計測することには意味があります。
DMNという観点からデータを見れば、観察系の瞑想であってもいろいろな手がかりが得られますから、スコアが出づらくても地道に計測していきましょう。
私の場合、MUSEで観察系の瞑想をするときは、計測だけしておいて、フィードバック系の音をミュートしちゃうこともあります。
基本的に英語。サポートも英語。
前述の通り、ガイドも英語、アプリも英語、サポートももちろん英語です。英語力が鍛えられますね。うんうん。
まぁ通常使用において理解しなければならない単語はそこまで多くないので、特に問題はないとは思います。
うまくつながらないときはMUSE本体とスマホのBluetoothを再起動
MUSEあるあるその1。アプリにMUSEが認識されない。
この場合、なにも考えずBluetoothをOff→Onするのと、MUSE本体の電源をOff→Onするのが一番手っ取り早いです。どうしてもつながらない場合は電源ボタンを延々と長押しすると確かリセット的なものがかかったはずです。
ちなみに、私のように二台持ちの場合だけですが、アプリは前回つないでいたMUSE端末に優先してつなごうとします。なので、端末を変えたいときは、画面左上の接続ボタンを押してつなごうとする端末を変更してあげると繋がります。
キャリブレーションがうまくいかないときは、面倒でも画面の指示に従うこと
MUSEあるあるその2。端末が認識されてもキャリブレーションがうまくいかない。
MUSEを使うとき、セッションの前には必ずキャリブレーションが入ります。スムーズにいけば30秒くらいで終わるんですが、なれるまではこれがまぁうまく行きません。
その人の髪の量や肌の湿度にもよるんですが、絶対にキャリブレーションを成功させるなら画面の指示に従って以下のことを試してください。
- 髪が長い人はちゃんと縛る。センサーと皮膚の間に極力髪が入らないようにする。
- ヘッドバンドをまっすぐ、かつ緩みなくつけて、すべてのセンサーがしっかり皮膚にあたっている状態を作る。
- 指先に軽く水滴をつけて、センサーを触って濡らす。
基本的には、濡らしたりはしなくてもだいたいなんとかなるんですが、どうしても調子が悪い時は濡らすこともあります。月に一回くらいかな。この頻度は人によるとは思います。
大事なことは、ちょっとした手間をめんどくさがらないことと、失敗してもイライラしないこと。現実を受け止めて、イライラがあればそっと投げ捨てましょう。それも瞑想の一環です。
計測の品質を安定させるために、キャリブレーションはしっかりすること
また、この面倒なキャリブレーション作業ですが、MUSEに慣れてくるとキャリブレーションしながら背伸びしたりとかストレッチしたりとかし始めたりしちゃいます。
だめです。計測がおかしくなります。
ちゃんと瞑想をする体制を整えて、DMNが動いているのを意識しつつ、ぼーっとした状態になってからキャリブレーションをしましょう。
瞑想、MUSEを習慣化するためのヒント
最後に、瞑想を習慣化するための、そしてMUSEを使い倒すためのヒントをご紹介しておきます。
瞑想するための環境を作る
最も重要なことは、瞑想するための環境を作ること、そして決めることです。具体的には、座る場所を決め、MUSE、イヤホン、クッションや座蒲などの場所を決めておきましょう。
理想的にはどんな環境でも瞑想できたほうがいいのですが、慣れないうちは静かな場所でないとなかなか難しいです。まずは、静かな、そして邪魔されない場所を見つけてください。
その上で、電源を探し、MUSEをおいておく場所を確保します。壁に引っ掛けてもいいです。
更に、イヤホン、できればノイズキャンセリングつきのものなんかがあると最高です。MUSEと並べておきます。私はSONY派です。
型落ちのモデルでもいいと思います。
最後に、クッションや座蒲などを用意します。座蒲はこちらがおすすめです。毎日座り続けていますが、全くへたりません。
こっちは半額の安いモデルもありますが、素材的にお尻が滑って集中できないので高いやつのほうがいいかと。身体と地面の間にはお金をかけていきましょう。
瞑想する時間を決める
場所が決まったら、時間です。
朝起きてすぐに瞑想する
一番のおすすめはここです。特に食後は瞑想の質が落ちてしまうので、朝起きて軽くストレッチをしてから瞑想をしましょう。
自然に身体が瞑想を始めるくらいにできると最高ですね。
日中、瞑想のためのアラームをセットしておく
在宅勤務なら、日中、集中力が切れてきたら、軽く身体を動かしてから瞑想がおすすめです。まぁ、私はオフィスでも瞑想してましたが…笑
例によって食後の瞑想はかなり難易度が高いので、そうならない時間を狙ってアラームをかけておきましょう。
寝る前に瞑想する
寝る前はだいたい食後になってしまうので、あまりおすすめしづらいのですが、ちゃんと食後時間が経っているならタイミングとしては悪くありません。一日で色々と溜まっているあれこれをスッキリ整理してから眠れるようにしましょう。
気をつけていただきたいのは、瞑想中に寝る、みたいなことを極力減らすことです。瞑想するたびに寝ることを繰り返していると、瞑想の体制に入ると身体が寝る準備をしてしまいかねません。
中途半端に寝ながら瞑想するくらいなら、集中できなくなったらさっさと寝たほうがいいのではないかと思います。
家族がいるときは、瞑想をする時間を事前に共有しておく
邪魔されない環境をつくるために、家族がいるなら瞑想の時間を事前に共有しておくことを忘れずに。
目標を決める
これで一応習慣にするための基本はできましたが、これだけではなかなか持続が難しいです。なぜなら、日常のタイムスパンの中で意識できるストーリーがないから。
自分の人生や中長期的な目標に対して、瞑想がどのくらいの重要性があるのか考え、いつまでにどうなりたいかをざっくりと決めて、逆算して目標を立てておきます。
正直、やってみないことには目標がどのくらい現実的かなんてわからないので、暫定で目標立ててとにかく瞑想してみてください。
目標の例
わかりやすい目標としては、週に5回、毎回5分以上瞑想するとかですかね。ただ、それだけだとイマイチ質的な向上が見込めないので、毎日Calmの時間を何分以上とか、週に3回、30分以上の瞑想でCalmの割合が80%以上とか、そういう目標を立てられるといいと思います。
ほかにも、三昧(極度の集中状態)を週に一回は感じられるとか、応用的な目標を徐々に立てていき、最終的にはメタ認識能力や自分の意識状態を自由にコントロールできるようになる、というような感じで、より瞑想の意味が見いだせるような長期目標も立てておきましょう。
家族や友人を巻き込む
最後に、習慣を作る上で、最も効果的かもしれないのが、家族や友人を巻き込むことです。
そして、瞑想の質や自分の状態について、色々と話合う事ができるような場をもつことです。
これは瞑想の習慣化以上の様々な効果があると思いますし、何度かやるだけでも人生が変わるかもしれません。
可能であれば、ぜひやってみてください。
すぐできること
- 自分の人生にとって、瞑想にどのくらいの価値があるのか書き出してみよう
- 瞑想や、自分の前頭前野の能力について、いつ、どうなっていたらいいか目標を立ててみよう
- MUSEを使って瞑想が習慣化できそうかイメージしてみよう
- MUSEを買って使ってみよう
- 瞑想をする環境を作ろう
- 家族や友人を巻き込もう
まとめ
というわけで、MUSE/MUSE Sの徹底レビューでした。
ざっくりまとめると、
- 瞑想は人生に必要。
- 瞑想の質の向上、習慣化にMUSEは十分に効果がある。
- 基本的にはMUSE Sがおすすめ。
- 注意点はいくつかあるが、許容範囲。
- 瞑想の目標、場所、時間、道具を決めて習慣化しよう。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
よい瞑想を。